ネットワークで使われるリピーターハブとスイッチングハブ、ルータの違いとは?
- 2017.03.15
- 技術コラム
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イーサネットなどネットワークを構築する際に「リピーター」や「スイッチングハブ」、「ルーター」などを使いネットワークを拡張し、複数のコンピューターに対して、ネットワークへの接続を行います。
ただ、何となく「リピーター」や「スイッチングハブ」、「ルーター」という言葉を耳にしますが、実はどれも似たような機器でもそれぞれ持ち合わせている機能が異なっており、それぞれの役割を明確にした上で適切に使い分けて行く必要があります。
今回は、「リピーター」や「スイッチングハブ」、「ルーター」の3つの違いについて解説します。
コリジョンドメインとブロードキャストドメイン
2017年3月8日の「Ethernet(イーサネット)のアクセス制御方式「CDMA/CD方式」の仕組みを徹底解説」で、信号の衝突を回避するためにCDMA/CD方式によってアクセス制御を行っていることを記載しましたが、これに関して「コリジョンドメイン」と「ブロードキャストドメイン」の2つの概念があります。
「コリジョンドメイン」とは、先程の記事でも少し触れましたが、ネットワーク上において衝突信号を検知できる範囲のことです。一方で、「ブロードキャストドメイン」とは、ブロードキャスト(一斉配信)フレームが届く範囲のことを言います。
この2つのドメインを理解するためにも、2016年6月9日の記事「TCP/IPプロトコルとは何か?ネットワークの通信規約を徹底解説」で触れていますが、国際標準化機構(ISO)より策定された、コンピューターなどの機器との通信を実現するための構造「OSI参照モデル」を理解する必要があります。
リピーターは物理層のみを中継する機器
リピーターは、送信元のデータを送信先を限定することなく全ての端末に送信するハブで、単純に物理層のみに適用するため、単純にネットワークを中継する機器です。
特別な制御などを実施しているわけではなく、送信されたデータはリピーターに接続されている全ての端末にデータが送られることになりますので、リピーターと接続する端末を増やすことで衝突信号が検出できる範囲である「コリジョンドメイン」を拡大することになります。
そのため、商用で複数台の端末から大量にデータをやり取りする用途には向いておらず、通信を行う際のネットワーク効率を下げてしまうデメリットがあります。
リピーターは、一般家庭などにおいて、少数台のパソコンなどに接続するといった用途に向いています。
スイッチングハブはデータリング層に基いて必要な宛先に送信
一方で、スイッチングハブやブリッジは、リピーターとは異なり、送信されたデータを全て送信はせずに、フレームで規定されていえる宛先を判断して必要な機器のみに送信します。
フレームには、データ本体以外に宛先となるMACアドレス、送信元のMACアドレスが規定されています。詳しいフレーム構造については、2017年3月11日の記事「Ethernet(イーサネット)のフレーム構造を徹底解説」をご参照ください。
スイッチングハブは、送信元から受け取ったデータを内部メモリに一旦蓄えた(バッファ)後に、フレームに規定されているMACアドレスをOSI参照モデルのデータリング層(第2層MAC層)の情報に基いて判断を行い、必要な機器に送信を行います。そのため、スイッチングハブは「L2スイッチ(レイア2スイッチ)」とも呼ばれています。
一方で、データリンク層の情報に基いて必要な送信先のみに情報を送信する機器「ブリッジ」もありますが、ブリッジは2ポートに限定されています。
そのため、スイッチングハブやブリッジは、宛先を判断し必要な端末のみに送信するため、衝突信号が検出できる範囲「コリジョンドメイン」を分割することができます。
ルータはネットワーク層の情報を元にデータ転送を行う
先程のスイッチングハブやブリッジがデータリンク層の情報を元に必要な機器のみにデータを転送していたのに対し、ルータはOSI参照モデルのネットワーク層(インターネット層、第3層)の情報に基いて、データの転送可否や転送先を決定する機器です。
受信したデータを解析し、宛先のIPアドレスから適切な転送経路を選択し送信を行います。その他、ワイドエリアネットワークWAN)やローカルエリアネットワーク(LAN)などアドレス体系が異なっているネットワークとの間でアドレス変換を行い通信ができる「NAT/NAPT」機能や、接続された機器に対して自動的にIPアドレスを付与するDHCP機能などがあります。
ルータでは、衝突信号が検出できる範囲「コリジョンドメイン」を分割できることに加え、ブロードキャストが可能な範囲「ブロードキャストドメイン」を分割できます。
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