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IoTで注目されている通信技術「LPWA」とは何か?技術概要を徹底解説

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あらゆるものがインターネットにつながる「IoT(Internet of Things)」向けのネットワークとして近年耳にする機会が増えた「LPWA(Low Power Wide Area)」は、低電力で広範囲に届く安価な通信技術として、将来的な本格導入に向けて研究が進められています。

通信技術はあらゆる規格が存在していますが、これまではデータ容量が多くなるのに伴い、通信速度の速さを意識されていましたが、IoTでは、小容量のデータ通信で事足りる場合も多いことや消費電力を抑え長時間稼働が求められていることから、既存のネットワークより消費電力を抑えた上で、広範囲をカバーするネットワークとして開発が進められています。

LPWAはIoT機器に特化した広域帯無線通信(WAN)

現在一般的に利用されている無線通信として、我々が普段利用している携帯電話やスマホで使われている3GやLTE(Long Term Evolution)といった広域帯無線通信(WAN)の他、無線LANなどの狭域帯無線通信(LAN)Bluetooth通信などのパーソナルエリアネットワーク(PAN)などが上げられます。

IoT機器をネットワークに接続する場合、既存のLTEでは大容量通信に対応している反面、消費電力が多い事などからスペックが過剰となりコスト負担が高くなる課題があります。また、無線LANやBluetoothなどは、社内や家庭内など通信可能な範囲が限定されたネットワークであるため、直接外部のサーバーに通信するとなると、ルーターやゲートウェイなど中継機器が必要となります。

消費電力が少ないことに加え、小容量のデータのやり取りが携帯電話ネットワーク同様に広範囲で可能なネットワークとして「LPWA」が新たに開発されています。

LPWAの代表的な3つの通信規格

IoT機器向けの広域帯無線通信として注目れれているLPWAですが、代表的な通信規格として「SIGFOX」と「LoRaWAN」、「NB-IoT」が上げられます。

SIGFOX

SIGFOXは、フランスのシグフォックスが開発したLPWA規格です。伝送距離は携帯電話の3GやLTE同様に数十キロメートルで通信速度は最大100bpsです。利用周波数帯は、産業・科学・医療分野の為に割り当てられたISMバンド920MHz帯で特別な免許不要で利用可能です。既に世界24カ国でサービス展開が行われており、日本では2017年内に京セラコミュニケーションシステムが東京23区でサービスを開始します。

LoRaWAN

LoRaWANは、IBMやシスコ、フランスの通信事業者オレンジ、韓国の通信事業者SKテレコムなどが加盟しているLoRAアライアンスによって開発されたLPWA規格です。伝送距離は数十キロメートルで、最大通信速度は250Kbpsとなっています。周波数帯はSIGFOXと同様に920MHz帯を利用し免許不要でサービス展開が可能です。

日本国内では、ソフトバンクが年内にLoRaWANを活用したIoTソリューションの提供を明らかにしている他、NTT西日本やソラコム、M2Bコミュニケーションズなどが実証実験を進めています。

NB-IoT

NB-IoTは、我々が普段使用している携帯電話やスマホで使っているLTEベースに開発したLPWAで、3G規格を基本に世界で携帯通信規格を策定する「3GPP」にて規格が策定されました。通信速度は下り21.25Kbps、上り62.5Kbpsで通信可能です。

利用周波数帯はNTTドコモのFOMAプラスエリアやソフトバンクのプラチナバンドなど使われている800~900MHz帯の活用が想定されています。その他、3GやLTEで一般的に活用されてる2.1GHzや1.7GHzなどにも対応しています。周波数は基本的に数値が低くなれば電波が浸透しやすくなる特性があることから、周波数は低いものが採用されることが予想されます。

また、NB-IoTは既存の携帯電話の基地局が活用できることから、携帯電話通信3社がサービス展開に向けて準備を進めており、本格的にサービスが展開されるのは2018年以降になりそうです。

ガス・水道の検針、災害や住民の見守りなどへの活用が広がる

LPWAでは、主にガスや水道の検針や災害時の点検や監視、住民の見守りなどでの活用が想定されています。既に、これらのソリューションの展開が相次いでリリースされています。

NECと京セラコミュニケーションシステム、ミツウロコクリエイティブソリューションズの3社はLPWAを活用したガスの指針データを遠隔で取得しLPガスの配送を人工知能(AI)を活用し効率化する取り組みを始めています。

NTT西日本では、今年夏を目処に自治体向けに災害時の点検や住民の見守りサービスなどでLPWAを活用したソリューションを提供を予定しています。

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