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スマホで使われている広域帯無線通信の種類と特徴を徹底解説

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最近ではスマートフォンが普及したことで、インターネットのアクセスが大幅に増加しています。それに伴って、スマートフォンで通信する際のネットワーク通信速度も向上しています。

ウェブサイトを制作する上では、一昔前まではパソコンの利用を想定し制作していたのが今では、スマートフォンからのアクセスを想定して制作する必要があるなど、時代とともにインターネットのあり方も変わってきています。

ウェブサイトのアクセスに必要不可欠なネットワークの種類と特徴を知ることで、ご自身のウェブサイトに訪問するユーザーが使用しているデバイスの傾向に合わせたウェブサイトの運営やトレンドの変化に応じたウェブ開発に役立てることができるなど、ネットワークの知識も重要になります。

フィーチャーフォン(ガラパゴスケータイ)はW-CDMA(3G)が主流

2017年現在では、スマートフォンが一般に普及したのに伴い、ユーザー数が減少しつつありますが、フィーチャーフォン(ガラパゴスケータイ)では、W-CDMA(3G)と呼ばれるネットワークが主に使われていました

W-CDMAとは、Wideband Code Division Multiple Access(ワイドバンド・コード・ディビジョン・マルチプル・アクセス)の略で第三世代携帯電話(3G)とよばれる広域帯の無線アクセス方式です。国内では2.1GHz帯を使用し、ドコモプラスエリアのみ800MHz帯を使用しています。

W-CDMAでは、第3世代と定義されていますが、第2世代であったGMS(global system for mobile communications)をベースとして高速化したものです。GSMは世界的に幅広く使われている無線アクセス方式で、スマートフォンが普及している現在でも世界的で一般的に使用されています。

ただ、日本国内では、独自のPDCと呼ばれるネットワーク方式を採用していたため、GSMとは相互性がなく日本で購入した携帯電話を海外で使用できないという課題がありました。

W-CDMAは、第3世代の携帯電話として高速性を重視し、最大通信速度は64kpbsでテレビ電話機能や画像や動画ファイルを含めたウェブアクセスなどに優れていました。後に、W-CDMAを拡張したHSDPAが登場し下り最大14.4Mbpsでの通信が可能になります。

2017年現在販売されているスマホの大半はLTE通信対応

2017年現在、販売されているスマートフォンの大半は、先程紹介したGSM、W-CDMAに加え、LTEと呼ばれるネットワークに対応しています。

LTEとは、Long Term Evolution(ロング・ターム・エボリューション)の略で、先程のW-CDMAをベースに複数の技術を組み合わせることで、通信をさらに高速化させたネットワークです。通信速度は下り最大100Mbps、上りで50Mbpsで通信可能で、光ファイバーなみに高速化されたのが特徴です。

LTEは、「4G」と表記されるケースが多く見受けられますが、正式には「第3.9世代携帯電話(3.9G)」で、従来の第三世代携帯電話(3G)と新世代の携帯電話を橋渡しするネットワークという位置づけでした。ただ、一般顧客に対して目新しいイメージを印象付けるために商売上「4G」として扱われています。

LTEは高速通信が可能であるという特性上、インターネットアクセスなどデータ通信用途を中心に利用されており、従来の音声通話はW-CDMAネットワークを介して行われることが一般的です。ただし、音声通話は、SkypeやLINEなどの通話機能で使われている音声データをパケットとして変換して通信する「VoIP」によって通話が可能で、「VoLTE(ボルテ)」としてサービスが2014年に開始されました。

5Gの開発も行われ2020年を目処に実用化へ

LTEが一般的に使われている現在、次世代の携帯電話ネットワークとして第5世代となる「5G」の開発も行われています。5Gは、通信速度をさらに高速化させると同時に、スマホだけではなく、あらゆるものがインターネットにつながる「IoT」用途での利用が考えられています。

GSMとW-CDMA、LTEの通信仕様を検討し標準化するプロジェクト「3GPP(Therd Generation Partnership Project)」では、2020年を目処に商用化する方針でプロジェクトを進めています。

2017年現在では、第5世代携帯電話での要求仕様や評価基準となる基礎段階の取りまとめを行っています。基礎段階の仕様が固まれば、2017年半ば頃よりフェーズ1として、商用化に向けた仕様を策定します。その後、2018年後半より、モバイルのあらゆるものがインターネットにつながる「IoT」での活用を想定した仕様の策定を進める方針です。

従来はネットワークに接続する端末はパソコンやスマートフォン、携帯電話などに限られていましたが、今後は家電やロボット、自動車など「IoTデバイス」に広がっていくことを考えると、ウェブサイトを運営やウェブ開発においても、PCやスマホのスクリーン上で情報を閲覧する以外に「IoTデバイス」に最適化した情報提供を考えていく必要性も考えられそうです。

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