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Ethernet(イーサネット)のネットワークトポロジーを徹底解説

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前回記載した2017年2月25日の記事では、Ethernet(イーサネット)の基礎知識として利用されているケーブルの種類や通信速度について解説しました。今回は、イーサネットを使用するにあたり、ケーブルに応じてネットワークトポロジーと呼ばれる接続形態が規定されています。

今回は、イーサネットのネットワークトポロジーの仕組みを紹介します。

ネットワークトポロジーとは?

ネットワークトポロジーとは、ネットワークの接続形態のことで、ネットワークを接続するには、パソコン以外にもルーターやサーバー、スイッチなど多くの機器(ノード)と接続する必要があります。

ネットワークトポロジーには「物理トポロジー」と「論理トポロジー」の2種類が存在し、物理トポロジーは、各ノードに対してどの様にケーブルを接続するかを構成するものに対し、論理トポロジーは、各ノード間がどの様にデータが流れているかを論理的に構成することです。

ネットワークトポロジーとして、代表的なのが「バス型」と「スター型」、「リング型」、「フルメッシュ型」があります。

バス型

バス型は、1本のケーブルに複数のノードを接続している形態のことで、主に同軸ケーブルを用いる際に採用されることが一般的です。

スター型

スター型は、1つのリピーターやスイッチなどの集線装置に複数のノードを放射状に接続する形態です。後述しますが、現在のイーサネットの接続形態はスター型を採用しています。

リング型

リング型は、各ノードをリング状に接続したネットワーク形態です。トークンリングやFDDIなどの通信方式で利用されることが一般的でしたが技術的に過去のものになり現在ではあまり見られなくなりました。

フルメッシュ型

フルメッシュ型は、全てのノードが相互接続している形状で、先程のリング型と比較すると1つのノードやネットワークに障害が発生しても、迂回経路が確保されるため、障害に強い特徴があります。

開発当初のイーサネットはバス型を採用

イーサネットを開発した当初は、現在のLANケーブルではなく2017年2月25日の記事で紹介した「同軸ケーブル」が使われていました。そのため、ネットワークトポロジーとしてバス型が採用されていました。

当初は10BASE5に分類され、通信速度最大10Mbpsで、最長500メートルの同軸ケーブルを5本までリピーターを連結することで最大2.5キロメートルまでの長さのネットワークが構築できていました。

ただ、バス型を採用していた当初は、1本の同軸ケーブルに複数のノードを接続していたため、ノードが同時にデータを送信した場合、衝突が発生し通信に失敗してしまうことが多くありました。また、同軸ケーブルは設置や取り扱いが容易ではないことから、広く普及することはありませんでした。

そのため、後述するツイストペアケーブルを採用したLANケーブルや光ファイバーケーブルと「ハブ」を組み合わせてネットワークを構築する手法に移行されていきました。

現在主流のイーサネットはスター型を採用

現在主流のイーサネットは、主にツイストペアケーブルを採用したLANケーブルや光ケーブルが用いられています。

LANケーブルの詳細は2017年2月25日の記事で記載していますが、8本のケーブルをツイスト状にし4対のケーブルを組み合わせたツイストペアケーブルです。皆さんがパソコンで有線接続している際に利用しているLANケーブルが該当します。一方、光ケーブルは、コンピューター信号をレーザー光に変換して通信するケーブルで、ノイズの影響を受けず伝播損失が少ないため長距離での通信に適しています。

LANケーブルで複数のパソコンなどに接続する場合、モデムもしくはルーターを中心に複数のパソコンを接続する「スター型」が採用されています。自宅に設置されているモデムもしくはルーターには、複数のLANポートが設置されているのがわかります。

現在、一般的に使われているLANケーブルは通信速度最大1Gbpsまで可能な1000BASE-Tが使われており、最大線長100メートルまでとなっています。一方、光ケーブルは1000BASE-SXもしくは1000BASE-LX共に最大500メートルまでとなっており、LANケーブルでは主に宅内、光ケーブルは屋外で使用されることが一般的となっています。

同軸ケーブルでは衝突が発生することが課題となっていますしたが、バブやスイッチなどの中央集約型を採用しており、通信制御としてCDMA/CD方式が採用したことにより、各ノードが同時送信を行ってもデータを制御する機能が備わったことにより衝突を回避することも可能になりました。CDMA/CD方式の詳細については、別途記事にて紹介したいと思います。

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