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WHOISの後継プロトコル「RDAP」が登場!ドメイン情報の検索精度がさらに向上

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JPドメインの管理を行っている日本レジストリサービス(JPRS)は、ドメイン情報などを検索する際に使われるWHOISプロトコルの後継となるプロトコル「RDAP(Registration Data Access Protocol)」の技術仕様を2016年12月15日に公開しました。

同プロトコルでは、WEB技術を採用したことでドメイン情報の検索精度が向上するなど使い勝手が良くなっているのが特徴です。

RDAP(Registration Data Access Protocol)とは?

RDAP(Registration Data Access Protocol)とは、インターネット上のドメイン名やIPアドレスを検索する際に利用される通信規約(プロトコル)です。

我々がドメインを新規で取得する際に、取得を希望しているドメインの空き情報を検索したり、既に取得済みのドメインに対して、誰が所有しているのか、ドメインの有効期限はいつまでなのかを調べる手段として従来はWHOISプロトコルが用いられていました。

WHOIS情報の詳細については、2016年5月23日に公開した「取得したドメインは誰がどの様に管理しているのか?」にて記載していますが、ドメインを取得した場合、取得したドメインに対して、誰が所有しているドメインなのかをデータベース上に登録されており、インターネットでその情報をいつでも取得することができます。

WHOIS情報を取得する際にWHOISプロトコルと呼ばれる通信規約に従って、情報が提示されています。今回登場したRDAPは、WHOISプロトコルの後継として、WEB技術を採用したことで、従来のWHOISプロトコルで抱えていた課題を解決し、検索精度を向上させたプロトコルです。

WHOISプロトコルの課題

今までドメインの検索やIPアドレスの検索に使われていたWHOISプロコトルは、RFC812に基いて1982年に発行されてました。

RFCとはRequest for Commentsの略で、プロトコルなどの技術仕様の保存、公開形式のことで、WHOIS情報をどの様な通信規約に基いて情報をやり取りするのかを明記した仕様がRFC812になります。RFC812が発行されて以来、2回ほどバージョンアップされており、RFC812を上書きしたRFC954が1985年に発行され、2004年にはRFC3912が発行されました。

WHOISプロトコルは要求内容の文字列を入力して改行コードを送ることで、必要な情報の返答を返すというシンプルなもので、現状としてレジストラによって実装形式や表示形式が統一されていないという課題がありました。

そのため、ユーザーとしては、それぞれ実装や表示形式が異なることで、どの項目がどこに対応するのかを見比べる必要があり、手間が発生していたのが事実です。

過去にも「WHOIS++」や「RWhois」「IRIS」といった後継となるプロトコルが発行されていましたが、普及には至りませんでした。

RDAPの4つの特徴

今回、新たに登場したWHOISの後継プロトコル「RDAP」の特徴を紹介します。

1.HTTPプロトコルで問い合わせが可能でJSON形式で応答が得られる

RDAPの特徴としては、普段我々がインターネットを使用する際に使用しているHTTPプロトコルを用いてWHOIS情報の検索ができることに加え、問い合わせに対する応答がJSON形式で統一される点です。

JSON形式とは「JavaScript Object Notation」の略で、JavaScriptのオブジェクト表記方法をベースに、ソフトウェアやプログラミング言語のデータを受け渡す形式です。そのため、今まではレジストラ毎に表示形式がバラバラだったのが、JSON形式で統一されることにより、ユーザーは知りたい情報をすぐに知ることができ、今までのように項目ごとに対応箇所を見比べる必要性が無くなります。

問い合わせは、HTTPプロトコルで可能になることで、問い合わせを行いたい情報をURL形式で指定してリクエストを送信することができます。

2.資源情報をIANAが管理し適切な問い合わせ先にリダイレクトが可能

RDAPの2番目の特徴としては、IANAが資源情報を管理している点で、リクエストがあった場合、適切なりダイレクトが可能である点です。

IANAとは「Internet Assigned Numbers Authority」の略で、ドメイン名やIPアドレス、プロトコル番号などの資源をグローバルで管理している組織です。

WHOIS情報を問い合わせる際に、どこのレジストラが資源を管理しているかを把握した上で問い合わせる必要がありました。RDAPにより、IANAによって資源を管理している組織を参照した上で、適切な問い合わせ先にリダイレクトされることで、ユーザー側が検索する際における手間を軽減されました。

3.認証や権限に応じて情報の参照が可能

3番目の特徴としては、権限に応じた情報開示が可能になった点です。従来まではWHOIS情報の開示を求めた場合、登録されている情報をそのまま提示されていましたが、RDAOではユーザーが保有している権限を把握した上で、必要な情報だけを開示できるようになりました。

4.文字コードがUnicodeに対応

RDAPでは、文字コードがUnicodeに対応した点です。これにより、グローバル標準での情報開示が容易になります。

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