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ウェブサイト名とドメイン名は商標登録すべき理由

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前回記載した「ドメインを取得する際に知っときたい商標との関係」では、ドメインを取得する時に、取得しようとしているドメインに対して、あらかじめ、商標登録されていないか確認しておく必要があることをお伝えしました。逆に、ご自身が取得したドメイン名の他、ウェブサイト名に対しても、商標登録ができます。

商標登録する際には、様々な手続きが発生しますが、持続的にウェブサイトの運営を行いたい場合や思わぬトラブルからご自身の身を守るためにも、商標登録することは大きなメリットがあります。

そこで今回は、ウェブサイト名とドメイン名を商標登録するメリットと、商標登録しないことによって考えられるリスクについて解説します。

ウェブサイト名でも商標登録が可能

商標のイメージは小売店などに使われている名称が登録されるイメージが強いですが、ご自身が運営しているウェブサイトでも商標登録が可能です。

ウェブサイトは、ネットショップなどのようにインターネット上で物品販売している場合や、文字や画像など一般的な情報コンテンツを提供しているなど様々ですが、ウェブサイトの内容を問わず商標として登録可能です。

商標として登録できる内容としては、企業名やサービス名、商品名など一般的な名称に加え、ロゴデザインなども登録可能です。ウェブサイトであれば、ウェブサイト名に加え、ウェブサイト名を表記しているロゴなども商標として登録できます。また、ドメインについても「ドメインを取得する際に知っときたい商標との関係」で記載しましたが、先着順とはいえますが、ウェブサイトを識別する役割を果たすことから、商標として適用できます。商標は、文字列のほか、図形、文字列と図形など様々な形で登録できます。

また、後述しますが、ウェブサイト名やドメイン名に対して、商標登録をしていないことで起こりうるリスクも存在します。ウェブサイトを長く運営し、ご自身の身を守るためにも、商標登録をすべきだと言えます。

顧客にとってウェブサイトの識別ができる

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開設したウェブサイトに対して、ウェブサイト名とドメイン名について商標登録することのメリットとしては、顧客(訪問者)にとって、ご自身が運営しているウェブサイトを識別する役割を果たすことです。

ウェブサイトは開設した当初は、訪問者が少なく、実際にお金を払って訪問しているわけではありませんので、商標として登録するまでも無いと考えることもできますが、長い年月をかけて運営していくと訪問者も増え、ウェブサイトの認知も高まってきた場合、訪問者にとっては、「Aという情報を得るためにはこのBというウェブサイトにアクセスすれば良い」といった形で、「特定の情報=ご自身のウェブサイト」と結びつけて考えることができます。

そのため、単純に検索エンジンからのアクセスだけではなく、標識的な役割を果たすため、リピーターを増やすメリットもあります。また、ウェブサイトと通じて、リピーターを囲い込みたいと考えた場合においても、商標は大きな役割を果たすといえます。

例えば、インターネットで物品を販売している「Amazon」であれば、「Amazon」というサービス名を商標登録したことで、多くの利用者が「インターネットで本を買う=Amazon」、「品揃えがよく安いネットショップ=Amazon」というように、インターネットで商品を買う時にすぐに「Amazon」を購入先の選択肢として検討できるわけです。

競合サイトに顧客を奪われるリスクがある

ウェブサイトを商標として登録しない場合におけるリスクとしては、競合サイトに顧客を奪われ、ご自身のウェブサイトの地位が低下してしまい、運営が持続不可能な状態となってしまうことです。

ウェブサイトにはそんなに対して価値がないと考えることもあるかと思いますが、これが趣味や遊びでやっているのであれば特段大きな問題にはならないと思いますが、アフィリエイトなどで収益を増やしたいと考えている場合は商標の登録を検討すべきと言えます。

たまたま第三者が、同一のウェブサイト名を開設し、同一の内容を扱っていた場合、訪問者がご自身のウェブサイトにアクセスしたつもりが、第三者がアクセスしたウェブサイトにアクセスしてしまうなど、検索エンジンの結果などによって多少は左右されますが、今までご自身のウェブサイトにアクセスしていた訪問者を奪われることにつながり、アクセス数の減少やアフィリエイト収入が減ってしまうなどのリスクがあります。

アフィリエイトで収益を得たいと考える場合、競合サイトを確認した上で、開設する時にあわせて商標登録をすると良いでしょう。

第三者が故意に同一のウェブサイト名で商標登録されるリスク

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ウェブサイト開設した当初は、アクセス数も少なく、知名度も高くないため、あまり大きなリスクにはならないと思いますが、ご自身が運営しているウェブサイトにアクセスする訪問者が増え、認知度も高まってきた時に考えられるリスクです。

第三者がご自身のサイト名やドメイン名に対して、商標登録されていないことに目をつけ、故意にウェブサイト名もしくはドメイン名と同一の商標を取得された場合、ご自身に対して、ウェブサイト名もしくはドメイン名の差し止めを求められる場合もあります。悪質な場合は損害賠償請求を受ける場合もあり、ウェブサイト名やドメイン名の変更などをせざる得ず、今までの実績が白紙の状態に戻ってしまうことになります。

そのため、商標登録をする際に、もう少しアクセスが増えてから、収益が得られるようになってからと考え、後回しにしてしまうことも多いと思いますが、アフィリエイト収入以外に趣味で開設したサイトであっても、思わぬ所で、ウェブサイト名やドメイン名について差し止め要求が行われたり、損害賠償請求ということになりかねませんので、できるだけウェブサイトを開設した時に商標登録することをおすすめします。

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